「先払い買い取り」と呼ばれている手法の貸金被害にあった利用者が集団訴訟!【NHKニュース】

先払い買取りとはいったいどういったものなのでしょう?
「先払い買取りと聞くと、商品の取引があるように思いますが、実際には商品が動かない、商品のやり取りがないお金のやり取りです。」

 

と、言われても何だかわからない、ちょっと不思議な取引ですが、NHKニュースでは、次のように解説しています。

業者はウエブサイトやSNSで、「中古品を高値で買い取りますので、商品の写真を送ってください」と言ってきます。

 

利用者は、商品の写真を送ります。

業者は、商品の代金(買取り金額)を利用者に先払いします。

利用者は、商品を業者に送る!と思われるかもしれませんが、商品は送らなくて良いのです!なぜならば、あえて取引不成立という形をとるからなのです。

そこで利用者は先払いを受けた商品の代金と、取引不成立のキャンセル料(違約金)と手数料を返済することになる。

 

業者側からは、契約時に商品の送付期限とされていた日までに、商品が送られてこなかったということで、利用者が取引不成立を言い渡されます。
利用者は、先払いの買取り金額と違約金と手数料を支払うことになります。

 

これが、「先払い買取り」という、コロナ禍の生活困窮者をターゲットにした新手のヤミ金の手口です。

 

 

訴えを起こしたのは20~40代の大阪、兵庫に住むに住む会社員の男性7人です。

 

契約時に商品の送付期限とされていた7日後までに、「商品が届いていない!」として業者側からは代金の30%以上を上乗せした違約金を請求されたということです。商品の売買を装っているが、契約をキャンセルすることが前提の超高金利利息の貸金で、これは違法!契約は無効と主張して、5業者に対して330万円余りの微笑を求める訴えを簡易裁判所(大阪、兵庫)に起こしました。

 

違約金は、年間の金利でみると、法定の上限の150倍にあたる3000パーセントを超える超高金利のものもあったということです。

 

【原告30代男性の場合】
「先払い買い取り」を利用するようになった大阪府内のメーカーで働く30代の原告
・出張の費用を立て替えるために現金を得たかったそうです。
月に何度も遠方に出張することがあって一時的な交通費の立て替えのために、以前から消費者金融で借り入れて生活などを維持していた経緯もありました。
おととし(令和2年)8月頃には、立て替え額が多いときで月20万円ほどにもなり出張時の交通費が支払えなくなった。
消費者金融からも追加の融資が受けられなくなっていたことから、
「ブラックでも借りられる」というワードで検索して掲示板で見つけたのが「先払い買い取り」で現金を得る方法だったといいます。

 

この男性は「商品を売るつもりは無く、商品の画像を撮って送るだけでお金が手に入るということにつられて利用を始めた。
高い『利息』を支払うことになるが、お金は工面できたという思いしかなかった」と振り返った。

 

男性は、業者から「送る商品は何でもいい」と言われたといいます。
そして、今使っているスマートフォンの写真を撮って送ったそうです。

 

すると、すぐに手数料を差し引かれた現金が振り込まれました。
そのまま商品を発送しなかったところ、契約違反のキャンセルとされ、その後、商品の買い取り価格の30パーセントの違約金を上乗せして返金をしたそうです。
返金を終えたあとは「簡単に利用できるんだな」と感じたと語っています。
一時的に必要な現金を得るために同じような取り引きを19回繰り返したそうです。

 

しかし、高額の違約金が回数を重ねるごとに負担となり、さらに、別の業者も利用するようになって、負担が増していく悪循環に陥った。
この男性は「お金が入ると安ど感がありましたが、違約金が負担になりました。返さなければならない金が雪だるま式に膨らみ、給料日が怖かったです。精神的に苦しく、後悔しかありません」と話していました。
(出典:NHK NEWS WEB https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20221115/2000068258.html)

この30代会社員の男性のように会社の出張旅費を立て替えておかなければならないような場合、現金が手元にないとどうにもならないことってありますよね。
そこで、商品の写真を送るだけで現金を先払いしてもらえるのですから、高金利であっても急場をしのげます。
また、先取り買取り業者のWebサイトには、貸金業であるという表記や文言がみあたりません。
消費者金融でブラックリストに名前が載っている人でもハードルが低く安易に現金が借りられるところが落とし穴なのでしょう。

 

何度か融通してもらっているうちにこの男性のように返済しなければならない金額が増えていきます。
金利が法定上限の150倍程のものになっているのですから!

 

「先取り買取り」の被害にあわれた方は是非ご相談ください。
これは、コロナ禍で生活に困窮した人を狙う新型ヤミ金です。